創設者の名を冠する教育施設です。180年の歴史を有する学園の新たな挑戦と発展の象徴として計画されました。
新しい学びの形が創造されることを目指して作られた教育環境は、その場所ごとに性質を異にし、多様な試みに応えることを可能にしています。
地下にありながら明るく静粛な環境は、多目的な利用にも対応でき、落ち着いた学習の場を提供します。
1階のニュートラルな空間は、少ない校有地を補い多様な運用に応えてくれます。
3階は開放的で柔らかな空間の集合体です。透明な空間は新たな学びの場の試みであり、随所にみられる曲線や円形は気持ちを柔らかくし、自由な発想や議論が自然に生まれることを期待しています。
また、これらの階は有機的に繋がれており、リンクしながら使用することで更なる学習効果の向上を目指しています。
既存の本館と渾然一体となり、多様な試みに応え得る環境から、よりよい結果が生まれることを期待しています。
校地に残されたわずかな校庭部分に増築が行われることとなり、既存の環境と併せより良い環境となることを目指しています。ガラス越しの視線やレベル差を利用し、形態と視界を操作する事で、視線が縦横にどこまでも延びて行きます。大空や鬱蒼とした緑、街並みがフレームにより切り取られ、伸び伸びとした豊な環境を獲得しています。
また、独特な形態は子供たちの躍動するエネルギーのメタファーであり、学園の更なる発展を象徴するものでもあります。屋上は緑に囲まれた校庭となりました。まだ小さな木々ですが、やがて生長し周囲の緑地と連なり天空の森になります。そこに集う生徒達にとって記憶に残るスペースのひとつになることと思います。