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KURUMI

KINDERGARTEN [ TOCHIGI 2015年 ]

足利市の住宅街に計画された幼稚園です。
敷地は学校や住宅が緩やかに建ち並ぶ穏やかな環境の中にあります。 地域にとってもより良い環境となるよう、歴史的な家屋の特徴や周囲の山並など足利の地域性を現代的に織り込み、景観に配慮し分節化するなど、地域に溶け込むランドマークとして魅力的な園舎を目指しました。 機能を素直に表し分節化されたボリュームの構成が、圧迫感を軽減しながら存在感のある豊かな外観を創っています。庇やボリュームの組み合わせが作る陰影は伝統的な家屋を、深い緑色の勾配屋根の重なりは瓦屋根や山並をイメージさせます。 周辺には様々な植栽を施し、花の咲く低木やシンボルツリーによるまとまった緑地を設け、季節ごとの木々や緑の変化と咲く花の美しさが潤いをもたらしています。テラスやルーフバルコニーは、夏の間つる植物によるグリーンカーテンを設置することができ、深い庇と共に省エネにも寄与しています。
子供たちの多用なアクティビティが生まれるように、大きな空間から狭い洞穴のような場所まで、変化に富んだ空間と終わりのないループ状の歩行ルートを数多く用意しました。 内外を繋ぐテラスやバルコニーも、第三のスペースとして大切な役割を担っています。所々にちりばめられたカラフルな差し色ともあいまって、子供たちの感性を刺激してくれることを期待しています。 インテリアにおいては全ての居室に風の道を計画すると共に、県産の杉や多様な木材を使用することで、自然を感じ温かみのある快適な空間を作っています。また、様々な方向に視線が抜けて行く計画は、明るくより広く感じる視覚的効果と共に、視線が交流し新たな関係性が生まれることを期待しています。