白鴎大学足利高等学校富田キャンパスの教室棟として、教育、学習環境の質の向上を目指し、新たな学校の中心として計画されました。
機能を素直にファサードに反映することにより、存在感のある外観を構成しています。建設地である足利の地域性から日本建築の特徴を現代的に表現することを試みています。日本建築は柱、梁のフレームで作られ、縦横のラインで構成され、庇や格子などによる深い陰影を持つことが特徴的です。瓦の色をイメージした最上階の庇は、格子状にデザインされた各階のバルコニーや4メートル間隔に設けられた袖壁とともに、強い陰影を作ります。バルコニーは窓からの転落防止やメンテナンスの上でも有効であり、作られる陰は夏の省エネルギー対策に寄与するものとなっています。伝統的なイメージを織り込みながら、安全性や省エネルギー対策にも貢献し、特徴的なデザインにより、地域のランドマークとして存在しています。
学校全体を学習の場と考え、学習の場にヒエラルキーを与えています。共用部であるホールや廊下のフリースペースなども、自発的な学習の場として利用できるように計画されています。明るく開放的な吹き抜けを介し、平面的に、立体的に視線が交流するように計画された空間は、生徒間の繋がりが活性化することを目指しています。
また、様々な場所から自然を望むことができ、アメニティーの向上とともに、新たな視点で環境を考える機会となることを期待しています。