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ASTILE YOGA II

APARTMENT [ TOKYO 2023年 ]

この地は古くは農村であり明治期以降著名人や文化人の別荘地として発展しました。
昭和期以降急激な都市化により守るべき多くが失われてきましたが、今でも昔の人達が当たり前にもっていた、寺社仏閣を中心とした人々の繋がりや互助の精神、美しい自然の風景を守ろうとする心を受け継ぐ方々が数多く存在する街と伺います。
瀬田玉川神社の大祭には例年沢山の人が集まり、地域の活動やボランティア活動も盛んで、地域をより良くしようという思いにあふれた方々の街です。
計画地は幹線沿いということもあり自然や景勝の地とはほど遠いところにあります。
豊かな記憶は失われ、殺伐とした中に建つ建築が自然な風景や日常を感じさせ、地域に貢献することを目指しています。雁行や勾配屋根など変化に富んだ形態は、住宅街のスケールに溶け込み景観への圧迫感を和らげてくれます。植栽や天然の木材、石材がちりばめられ、外壁には木目のテクスチャーを刻んでいます。
それぞれがランダムにデザインされ揺らぎやぬくもりを感じさせて柔らかく迎え入れてくれます。無機質で有りながらもその中に自然な風景が感じられ、地域に貢献できることを期待しています。